労働力としての自閉症スペクトラム

ASD/ADHDの自己監視ブログ。

発達障害の定義と事例

今日は発達障害の定義と、自分の体験を元にした事例について書きたいと思う。

 

早速だが、まずは定義から。

発達障害者支援法には

自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害

注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって

その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」

と記されている。

 

障害名が並んでおり、専門的な知識がないと定義を読んでもピンと来ないかと思う。

 

また障害名について知っていても、人によって障害の出方や重さは様々なため、
日常生活の中で、人を定義や障害名に当てはめて考えるのは難しいのではないか。

 

(たとえば、自分はしばしば「私ミスが多いしADHDかも」

「あの人言動がおかしいからアスペルガーではないか」

といった相談を受けることがあるが、

比較的重度で症状が顕著に表れている方でないと、首を縦に振るのは難しい)

 

そこで自分は、発達障害を定義する際

脳の機能障害により、社会的な活動に支障をきたすもの」と考えている。


(よく言われているのが

「現代は仕事が複雑化し、またコミュ二ケーション能力も求められる社会

になったので、”障害者”になる人が増えてきた」ということだ。

農業が産業の中心であった時代、彼らはただの”変わり者”とみなされるだけで、

”障害者”とされるには基準がもっと高かったのではないか。)

 

次に、自分が持っているADHD/ASDの特徴について。

注意欠陥多動性障害ADHD)の特徴
①不注意・・・ケアレスミスが多い、忘れっぽい
②多動性・・・落ち着きがない
③衝動性・・・思いつきで行動してしまう

自閉症スペクトラム(ASD)の特徴
ⅰ.社会性の特徴・・・社会の(特に暗黙の)ルール・常識が分からない
ⅱ.コミュニケーションの特徴・・・たとえ言葉が使えても、

人とスムーズに気持ちを伝えあうことができにくい

ⅲ.想像力の特徴・・・目の前にない物事や状況について、考えたり

適切に判断したりすることができにくい

 こういった特徴に当てはまる人は、世の中に多くいるだろう。

「ただのおっちょこちょいなのか/ADHDなのか」、

「天然ボケなのか/発達障害なのか」

といった境界線を見極めるのは、非常に難しい。

なので、 先程も述べたが、その個性が

「社会的な活動に支障をきたしているか」が判断基準になると、自分は考える。

 

ただ、その基準も分かりずらいので、最後に
診断が付いている人(自分)の例を紹介する。

「なるほど、社会的な活動に支障をきたすってこういうことか」と

なんとなく理解していただけたらと思う。

 

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時は、2年前の新人研修―。
入社したてホヤホヤの自分は、配属先の営業部で
「各商材の専門部署から招かれた講師(社員)による、商材説明」といった研修を受けていた。

講義後、”内容の評価と、感想を自由に書いてください”という

アンケートメールに回答するのだが、そこで特徴が顕著に現れたことがあった。

 

その日はいつになく張り切って講義を聴いていた。
ずっと集中して耳を傾けていたのだが、だんだん理解が追いつかなくなっていた。

 

「こんなに分からなかった講義は今までない。
こっちは過去最高に一生懸命聴いているのに、なんだこのザマ(理解度)は!!!」

 

講義後、焦燥感や憤りでいっぱいになっていた自分は、

ほとばしる思いをアンケートにぶちまけてしまった。

 

アンケート記載内容:
「本当に意味が分かりませんでした。今までの研修の中で、一番分かりませんでした。

会社の先輩から、”新人研修の講師に来ている人は、部署内であまり活躍していないから
研修に回されるんだよ”と聞いていましたが、なるほどな、と納得しました。」


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このとき現れていたのが、
ADHDの「③衝動性」
・ASDの「ⅰ.社会性の特徴」
・ASDの「ⅲ.想像力の特徴」
といったものだと思われる。


己を弁解する訳ではないが、特徴と事例を重ねてみたい。


「ⅰ.社会性の特徴」について
→「アンケートは感想を自由に書くものだッ!」と思い、率直な感想をぶつけてしまう。

「ⅲ.想像力の特徴」について
→「これを伝えると、相手を不快にさせるかもしれない」と、相手の気持ちを考えることは思いもつかない。

「③衝動性」について
→やりたいことが頭に浮かぶと、後先考えず動いてしまう。

 

話を戻すと、

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その結果、講師の方の部署全体を怒らせてしまい、
「○○営業部の××(自分の名前)から仕事の依頼が来ても、絶対受けるな」と、

一緒に仕事することを拒否されてしまった。


「ああ、自分はなんてバカなことをしてしまったのか」―

この時ほど自責の念に駆られたことは、それ以降、一度もない。

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これが自分の、社会人になって最初の挫折(事例)だ。

 この経験から「こういうことをしたら、相手を傷つけるんだな」ということを

頭にインプットできたので、その後はここまで人を傷つけることはなくなった。

(たぶん...)

 

 

以上ですー。

 

参照URL
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/hattatu.htm
http://alienmind.web.fc2.com/info.html